おまけ:例文

パラ犬
使用例を紹介するよ。
たとえば、いい描写が思いつかなくて困った時に表現の参考にしたりとか。
剣の達人であるトムの攻撃を、ニンジャの太郎は避けた
エルザ
キャラクターの属性が変われば描写も変わります。
凶暴なポメラニアンであるトムの攻撃を、気弱な高校生の太郎は避けた

パラ犬
文体模写とか。
新美南吉風の文体の桃太郎
桃太郎が一人で、静かな山道を歩いていました。お日様が木々のすき間からこぼれて、道端の小さなシダの葉をきらきらと光らせていました。
すると、道のわきのしげみが、がさがさと揺れました。中から一ぴきの犬がひょっこりと顔を出しました。その犬は、少しお腹が空いているようでしたが、とても行儀よく桃太郎の前に座りました。
「桃太郎さん、桃太郎さん。お腰につけたきびだんご、ひとつ私にくださいな」
桃太郎は足を止めました。腰の袋には、おじいさんとおばあさんが、桃太郎の無事を祈って心を込めてこしらえてくれた、日本一のきびだんごが入っています。桃太郎は犬の目をじっと見て、穏やかに答えました。
「これから鬼の征伐に、ついてくるならあげましょう」
犬はそれを聞くと、嬉しそうに目を細めて、ちぎれるほどしっぽを振りました。鬼を退治に行くのは、本当は少し心細いことでしたが、この桃太郎さんと一緒なら、どこまでだって行けるような気がしたのです。
犬は、桃太郎からきびだんごを一つもらいました。それはお日様の匂いがする、とても温かい味がしました。犬はそれを大切に食べ終えると、桃太郎の後ろをトコトコとついて行くことになりました。二人の影が、明るい山道に仲良く並んで続いていきました。
パラ犬
文体チェンジ。
夏目漱石風の文体の桃太郎
むっくりと盛り上がった緑の深淵を縫うように、桃太郎は一人、静かなる山道を歩いていた。その腰に提げられた袋の中には、かの老婆が丹精を込めて丸めたきびだんごが、幾分か重たげに揺れている。文明の風など及ばぬこの寂寥たる山中にあって、彼の足音だけが規則正しく乾いた音を立てていた。

すると、行く手を遮るように繁った夏草ががさがさと乱れ、そこから一匹の犬が首を突き出した。その眼は妙に理知的でありながら、同時に底知れぬ空腹を隠し切れぬ切実さを帯びている。犬は桃太郎の顔をじっと見上げ、やがてその乾いた唇を割り、人間のような調子でこう云った。

「桃太郎さん、桃太郎さん。お腰につけたきびだんご、ひとつ私にくださいな」

桃太郎は足を止め、この思わぬ闖入者を睥睨した。世の中はすべて取引である。無償の愛などというものは、書物の中にのみ存在する空想に過ぎぬ。彼は淡々と、しかし拒みがたい威厳をもって答えた。

「これから鬼の征伐に、ついてくるならあげましょう」

犬は躊躇わなかった。即座に尾を振り、承諾の意を示したのである。桃太郎は袋から一つ、丸い団子を取り出して放ってやった。犬はそれを空中で受け止め、一口に嚥下した。そうして犬は一介の獣から従者へと姿を変え、桃太郎の影を踏むようにして、連れ立って歩き始めたのである。
エルザ
青空文庫は広く学習されていそうですね。

パラ犬
あるある。
異世界転生したらハズレスキルでパーティを追放されたけど無双してざまぁ
薄暗いギルドの片隅に、重苦しい沈黙が流れていた。
円卓を囲む四人の冒険者。その中心で、リーダーである大剣使いのゾルグが、忌々しげに鼻を鳴らした。

「おい、カイト。お前は今日限りでこのパーティから出て行ってもらう」

唐突な宣告に、僕は手にしていた木杯を落としそうになった。
僕はこのパーティ、雷光の牙の荷物持ち兼雑用係として三年間尽くしてきた。
現代日本からこの異世界に転生し、右も左も分からない僕を拾ってくれたのが彼らだった。だからこそ、どんなに冷遇されても、それがこの世界の当たり前なのだと言い聞かせて耐えてきたのだ。

「……どういう、ことだ? ゾルグ。僕が何かミスをしたのか?」
「ミス? いや、お前の働きは完璧だったよ。だがな、お前の持つスキルがあまりにもゴミすぎるんだ。収納、なんてふざけた名前のスキルがよ」

ゾルグは嘲笑を浮かべ、傍らに座る魔導師のエリーナと、僧侶のミーナに目を向けた。二人は僕と目を合わせようとはせず、冷淡に爪をいじったり、杖の汚れを拭いたりしている。

「いいか、俺たちはこれからSランク昇格試験に挑む。そこでお前のような攻撃手段も防御手段も持たない無能が混じっていては足手まといなんだよ。最近、高性能なマジックバッグを手に入れてな。お前の収納容量よりもはるかに多くの物が入る。つまり、お前の存在価値はゼロになったってことだ」
「でも、僕の収納はただの荷物入れじゃない。時間停止も付いているし、物の劣化も防げる。それに、出し入れの速度だって――」
「うるせえ! 言い訳を聞く耳は持たん。これはパーティ全員の総意だ」

ゾルグは革袋を一つ、テーブルの上に放り投げた。中から鈍い金属音が響く。

「退職金だ。せいぜい、どこかの街で平穏に暮らすんだな。まあ、戦闘スキルのないお前が、この魔物だらけの国で生きていければの話だがな」

三人は席を立ち、僕に背を向けてギルドの二階へと上がっていった。
残されたのは、冷めきったエールと、僅かな金貨、そして三年間共に歩んできたはずの仲間たちからの拒絶だけだった。

僕は一人、夜の街を彷徨った。
行き場のない怒りと、それ以上に深い虚脱感が胸を支配していた。
確かに僕のスキルは地味だ。戦場を駆け回り、派手な魔法を放つ彼らに比べれば、ただ荷物を出し入れするだけの力はハズレに見えるかもしれない。
だが、彼らは気づいていなかった。僕がどれだけの工夫をして、彼らの冒険を支えていたのかを。

僕は街の郊外にある深い森、絶望の迷宮へと足を向けた。
死に場所を探していたわけではない。ただ、確かめたかったのだ。一人になった時、自分の力がどこまで通用するのかを。

森の奥深くで、一体の凶悪な魔物、ブラッド・ウルフと遭遇した。
鋭い牙を剥き、赤い眼をぎらつかせたその獣は、一瞬で僕の喉元を食いちぎろうと跳躍した。

「収納」

僕は静かに呟き、右手を差し出した。
その瞬間、眼前に迫っていた狼の巨体が、霧のように消え去った。
僕の脳内にある収納空間のリストに、ブラッド・ウルフ(生存)という項目が追加される。

「……やっぱり、生き物も入れられるじゃないか」

これまでは、仲間たちが怖がるから、あるいは人道的な理由から、生きているものを収納することは禁じられていた。しかし、一人になった今、そんな制約は無意味だ。
僕は試しに、収納空間の中で狼の運動エネルギーだけを抽出し、その場で放出してみた。
ドォォォォン!
凄まじい衝撃波が走り、周囲の巨木が数本、一瞬にしてへし折れた。

「収納、の本当の意味。それは空間を支配することだったんだな」

僕はその夜、自分のスキルの真の価値を理解した。
物を入れるだけではない。熱、衝撃、慣性、魔法現象。目に見えないあらゆる事象を収納し、任意のタイミングで、任意の方向へと再出力することができる。
これはもはや、荷物持ちのスキルではない。世界の法則そのものを弄ぶ、神の領域の力だった。

それから三ヶ月が経過した。
僕はソロの冒険者として、瞬く間に名を上げた。
誰の手も借りず、ただ手をかざすだけであらゆる脅威を消し去る謎の黒魔術師。あるいは、一度も剣を抜かずにドラゴンの首を撥ねる銀髪の騎士。噂は尾ひれを付けて広がり、僕はいつしかSSランク、虚空の守護者と呼ばれるようになっていた。

そんなある日。
王都近くのダンジョン、神竜の廃都で、僕はかつての仲間たちと再会した。
だが、その姿はかつての栄光とは程遠いものだった。

「ひ、ひぃっ! 助けてくれ、誰か!」

ゾルグの絶叫が響く。
彼の自慢だった大剣は半ばから折れ、自慢の鎧はボロボロに砕けていた。エリーナは魔力切れで倒れ込み、ミーナは祈ることさえ忘れて震えている。
彼らの前には、このダンジョンの主である古龍、エンシェント・ドラゴンが立ち塞がっていた。
かつて彼らが言っていたマジックバッグも、ドラゴンのブレスによって焼き払われたのか、どこにも見当たらない。

「お前たちは……」

僕の声に、ゾルグが顔を上げた。

「か、カイト!? お前、どうしてこんなところに……。いいから助けろ! お前が得意な荷物持ちの道具を使って、囮になれ! そうすれば俺たちは逃げられる!」

死に瀕してなお、彼は僕を道具としてしか見ていなかった。
僕は溜息をつき、一歩前に出た。

「囮なんて必要ないよ。そんなに苦労する相手でもないしね」

ドラゴンが咆哮し、全てを焼き尽くす極大の火炎放射を放つ。
ゾルグたちが絶望に目を見開く中、僕はただ、右手を軽く掲げた。

「収納」

轟音を立てて迫っていた火炎の奔流が、僕の手のひらに吸い込まれるようにして消えた。
あまりにもあっけない光景に、ドラゴンさえも困惑したように動きを止める。

「出力。座標、ドラゴンの脳内。エネルギー変換、振動波」

パチン、と指を鳴らす。
次の瞬間、ドラゴンの巨大な頭部が、内側から弾けるように粉砕された。
断末魔の叫びすら上げられず、巨体は地響きを立てて崩れ落ちる。

静寂が戻った廃都の中で、ゾルグたちは呆然と僕を見上げていた。

「な……なんだ、今の。魔法じゃない……。お前、一体何をしたんだ?」
「ただの収納だよ。君たちがゴミだと言って捨てた、あのスキルだ」

僕は彼らに歩み寄り、冷たく見下ろした。

「Sランク昇格試験はどうなったんだ? マジックバッグがあれば、僕なんて必要なかったんだろ?」
「そ、それは……。あのバッグは容量こそあったが、お前みたいに戦況に合わせて道具を出したり、ポーションを適切な温度で保ったりすることはできなかった……。それに、不測の事態で荷物を失うと、俺たちには立て直す手段が何もなかったんだ……」

エリーナが泣きながら僕の裾を掴もうとする。

「ねえ、カイト。お願い、戻ってきて。私たちが間違っていたわ。あなたこそが、このパーティの真の核だったのよ」
「今更何を言っているんだ。僕は君たちに殺されかけた。この森に捨てられた時、僕がどうやって生き延びたか想像したことがあるか?」

僕は彼女の手を冷たく振り払った。

「君たちは僕の価値を見誤ったんじゃない。最初から、仲間だなんて思っていなかったんだ。ただ便利に使える道具が欲しかっただけだ。だから、僕も君たちを人間としては見ないことにしたよ」

僕は収納から、かつて彼らが投げつけた退職金の袋を取り出した。

「これ、返すよ。それと、さっき助けた分の報酬として、君たちの装備品と、これまでのギルドへの貢献度、すべて収納させてもらったから」
「な、何を……!?」

ゾルグが自分の体を確認すると、彼が着ていた高価な魔法装備が、下着一枚を残して全て消え失せていた。それだけではない。彼らのギルドカードから、これまでの実績やランクを示す魔力が吸い出され、真っ白な板へと変わっている。

「名声も、地位も、力も。全部僕が預かっておく。君たちには重すぎる荷物のようだからね」

僕は背を向け、ダンジョンの出口へと歩き出した。
背後から、ゾルグの情けない怒鳴り声と、女性陣の泣き叫ぶ声が聞こえてくるが、不思議と胸はすっとしていた。

外に出ると、抜けるような青空が広がっていた。
自由だ。誰のために尽くす必要もなく、自分のためだけにこの力を使える。
ふと、今の自分の状況を客観的に考えて、僕は少しだけ自嘲気味に笑った。

「……ふん。異世界転生したらハズレスキルでパーティを追放されたけど無双してざまぁ、なんてな。まるで安っぽい御伽話のようだ」

僕は空に向かってその言葉を呟くと、まだ見ぬ未知の土地を目指して、軽やかな足取りで歩み始めた。
僕の収納空間には、未来への希望だけが、無限に詰め込まれていた。
シャーレイ
あるあるすぎる。